ジャンプが動く?!

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週刊少年ジャンプ創刊から現在までの歴代人気作品が登場し、原作の漫画コマを取り込んだカードバトルゲームを繰り広げるアプリが登場した。
さすが、ジャンプ50年。『ドラゴンボール』や『北斗の拳』など単品でゲーム化される作品はもちろん、『珍遊記』や『忍空』のように現代において単品でのゲーム化が難しいだろう作品まで収録しており、ジャンプっ子には感涙もののゲームである。
ジャンプの歴史が作るまさかの物量作品が『週刊少年ジャンプ オレコレクション!』である。



本作は3枚のメインカードと2枚のサブカード、合計5人のカードでデッキを組んで戦う半オートバトルのゲームである。
だが、デッキを組んで最初に待ち受けるのはバトルの楽しさではない。
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ヤムチャを主役に据えて……ほい!

なんと、デッキの編成がそのままジャンプの表紙になるのである。
デッキのメインに配置したキャラクターは大きく、サポート枠は小さく、ジャンプらしい扱いの差も再現!
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▲そんなに天国を旅行したいのか…

星矢、珍遊記だって……はい、この通り。
キャラそれぞれに煽り文も用意されていて、オリジナル表紙を作って遊ぶだけでもう満点の楽しさ。
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単体でデッキを組めばこんな表紙だってできる。よく見ると、キャラクターによって表紙の背景も変わっている……神か。
間違いなくジャンプファンにはたまらない要素であり、これだけでかなり遊べる。
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そして表紙で遊んからクエストに行ってみると、これまたジャンプらしさにあふれている。
エストはジャンプキャラクターが敵として登場し、デッキに組み込んだキャラクターがオートで攻撃するバトルゲームとなっている。
で、このとき原作の漫画のコマを連続で表示し、動きをつけて攻撃している演出がたまらなく良い。懐かしい。
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さらに、各キャラクターには時間と共にエネルギーがたまって必殺技が使用になるのだが、この必殺技も良い。
通常攻撃より豪華にコマが連続表示され、アニメーションも多めについて、派手に技が炸裂する。
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コマ選びも絶妙なものが多く、特にバトルが多い漫画は良く動く。
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で、バトルが終わると“メモリアルストーン”がドロップし、これを100貯めるたびに“シーンメーカー”を起動し、ジャンプ漫画の名シーンのコマを集められる。
レア度の高いコマはちょっとしたアニメーションもするし、シーンカードを装備することでキャラクターの能力も上昇する。
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どこを見ても懐かしさしかない。そんなゲームが『週刊少年ジャンプ オレコレクション!』なのだ。

ただ、全体としてみると「懐かしいが、物足りない」というのが正直な感想だ。
ゲーム自体の仕組みは今となってはレトロなコレクションゲームなので、コレクションの面白さが命である。
しかし、あまりにも多くの作品が出てきすぎて、知らない作品が多くなってくると集める気力がわかずにしらけてしまう。
ファミコンで発売された『ファミコンジャンプ』では作品を超えたキャラクターたちの掛け合いもあって楽しかったが、そういったものも存在しない。
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▲作品に、これだけの時代の差が……!

大昔の作品を懐かしむ層は複雑なゲームをまだプレイできないので簡単にしてあるとか、これだけの作品があると作者のチェックが不可能とか、いろいろな事情は推測できる。
しかし、『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』のように技の出自などを図鑑で表示したり、手に入れた漫画作品の説明があるだけでだいぶ違ってきていただろうし、コレクション性がもっと上がったとおもう。
手に入れたキャラクターの数に応じて本棚にコミックスが並んでいくとか(読めなくてもいい)。
現状ではあまりにもばらばらに作品が存在し、それを橋渡しできていないし、懐かしさの刺激も足りないように思える。

ただ、今も最初のプレゼントで10連ガチャを回して表紙を入れ替えるのは楽しい。そのためにだけに1回遊んでみる価値はあると断言しておこう。
次は「原作のコマを一部使って懐かしい」で終わってしまって、一部の作品の演出を楽しんだら終わりという状況が変わるアップデートを期待したい。